地域包括ケアシステムの内容と現状

高齢者が都会に暮らす場合、病院や介護施設の数が多いため、豊富な施設から希望の場所を選択できます。しかし、都会は地域とのつながりが希薄なところがあるため、万が一のことがあった場合、すぐに周囲に頼れないという難点もあります。

一方、地方は病院や介護施設の選択肢は少ないものの、地域とのつながりが密な傾向にあり、相互の助け合いが機能しやすいと言われています。こうした地域格差を無くし、どこにいても高齢者が安心して生活できるよう国が推進しているのが地域包括ケアシステムです。

地域包括ケアシステムとは、自宅で暮らすことを基本として、必要な時に医療や介護、生活支援サービスが切れ目なく一体的に受けられる体制をつくること。そして、それぞれの地域ごとにその体制を構築することを言います。

例えば地方のある町では、一つの病院が国のモデル事業に手を挙げ、以降地域包括ケアシステムづくりを進めました。そもそもこの病院は町の中核となる病院でしたが、慢性的に医師不足に悩んでいたそうです。その対応策として、在宅医療の推進に活路を見出しました。

そして病院を中心に開業医や診療所医師、介護専門職をネットワーク化し、行政や地域住民も積極的に巻き込み地域包括ケアシステムを構築したと言います。そしてシステム構築後も、町の公民館で定期的に地域住民が望む医療や介護のあり方を聞きつつ、同時に国の制度や専門職側の考え方を伝え、町の実情に応じた地域包括ケアシステムを展開するように努めています。

超高齢化社会と言われる現代において、地域一体となり高齢者の暮らしを支えるシステムは必要不可欠なものです。今後、重要性はさらに増し、関係者の人材の需要も増加していくことが予想されるでしょう。介護業界の第一線で活躍したい方は、ぜひ地域包括ケアシステムの推進に関わることを検討してみてはいかがでしょう。地域包括ケアシステムについてさらに知りたいなら、概要がまとめられたこちらのサイトにアクセスしてみてください。