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高齢者が求める暮らしを実現する取り組み

年を取って体の自由が利かなくなると、自立した生活を営むことが難しくなるものです。さらに病状が進んだり、要介護度が高くなれば、自宅を離れて専門の施設に移らざるを得なくなります。

とはいえ、やはり「住み慣れた自宅で余生を送りたい」と考える高齢者は少なくありません。地域包括ケアシステムは、そんな高齢者を地元でサポートするための制度でもあります。地域包括ケアシステムでは、訪問や通所などの介護サービス事業や、在宅医療を提供する医療機関などが連携して当事者をサポートする体制を構築し、高齢者が安心して自宅に住み続けられる形を実現しています。

地域包括ケアシステムのサービスの内容は、住まいの確保や地域活動への参加の促進、見守りや買い物支援など、多岐に渡ります。このシステムを実現するために地域ごとの拠点で運営されているのが、地域包括支援センターです。

介護予防支援事業と包括的支援事業を主な業務内容とし、社会福祉士や保健師、主任介護支援専門員などの各専門スタッフを配置しています。ここでは、高齢者の生活における相談に乗る相談所のような役割も果たしており、高齢者本人だけなく、家族の負担を軽減する場所としても役立っています。

厚生労働省は、団塊世代が後期高齢者の仲間入りをする2025年を目途に、地域包括ケアシステムの整備を進める方針を打ち出しています。少子高齢化が待ったなしの状態で進んでいる今、高齢者が最後まで自分らしく生活できる社会の実現が急がれています。