日本は、かつてない勢いで高齢化が進んでいます。2025年には団塊世代の人々が75歳以上に達すると予想され、医療や介護への需要が今後、益々拡大していくことは確実です。一方で、「住み慣れた地域で暮らしたい」と願う高齢者も増加の一途を辿っています。
地域包括ケアシステムは、そうした高齢者に対し、介護と医療・介護予防・住まい・生活支援などのサービスを提供し、地域での暮らしを支えていく制度です。介護面では、通所介護や訪問介護、短期入所生活介護などのサービス、医療面では在宅医療や通院、入院といったケアを提供しています。また、老人会やカフェサロンなど高齢者が集まる場を設けて、高齢者の交流を促進する活動にも尽力しています。
こうした地域包括ケアシステムを推し進めていく機関が、地域包括支援センターです。地域の中核機関として地元自治体が設置した施設であり、保健師や社会福祉士、主任ケアマネージャーなどの専門職の配置が義務付けられています。
地域包括支援センターの運営に当たっているのは、自治体から委託を受けた社会福祉法人や医療法人、NPOなどです。厚労省のデータによると、2021年時点で地域包括支援センターの設置数は全国で約5,300カ所、ブランチやサブセンターも合わせると約7,300カ所あります。
地域包括ケアシステムの拡大は、今後さらに顕著になっていくでしょう。高齢者が安心して暮らせる社会を実現したいのなら、ぜひ地域包括支援センターで働く道を考慮してみてはいかがでしょう。現場で得た地域包括ケアの知識とスキルは、その後の転職活動においても大きな武器となるはずです。